個人投資家のための運用利回り計算法(2)修正ディーツ法

2013/03/26

厳密法はお金の出入りをすべて考慮するため正確なのですが、お金の出入りがある度に時価総額を記録しておく必要があります。個人投資家にとっては、運用パフォーマンスの正確さよりも手間の方が問題になるかと思うので、もっとゆるい計算法が良いですよね。そこで、厳密法をカンタンにしたのが修正ディーツ法です。

修正ディーツ法の計算例

厳密法では、入出金があるたびにその時の時価総額を使って利回りを計算しました。修正ディーツ法では、時価総額を使いません。入出金の日付と金額をメモしておいて、後は月末にまとめて計算することができます。

例えば、3 月の運用パフォーマンスを計算するとします。厳密法のときの例と同じく、3 月頭の時価総額が 100 万円、3 月 10 日に配当収入が 5000 円、3 月末の時価総額が 105 万円だったとします。厳密法では 3 月 10 日の時価総額を考慮しましたが、修正ディーツ法では無視します。利回り計算式は次のようになります。

  • 利益 = 105 万円 – 100 万円 – 5000 円 = 104 万 5000 円

  • 利益を得るために使った運用資産 = 100 万円 + 5000 円 x (20 日 / 30 日) = 100.333 万円

  • 3 月の運用パフォーマンス = 利益 / 利益を得るために使った運用資産 = 4.485%

3 月 10 日の配当収入は運用資産にプラスされるため、運用資産額が増えます。ということは、逆に運用パフォーマンスは減ります。運用額が大きければ大きいほど、利益を得ることは簡単になるためです。配当収入は 3 月 10 日にあったので、月初から 1/3 が経過するまで、運用資産に配当収入は含まれません。配当収入を得た後の 20 日間は、元々の運用資産プラス配当収入が運用資産になります。

以上のように、入出金のタイミングによって、その資金がどれくらいの日数で運用されたかを考慮する。これが修正ディーツ法です。

ちなみに、厳密法で計算した時の運用利回りは 4.482%だったので、ほんの少しだけ誤差が出ていますね。ホントに少しですけど(^^;

修正ディーツ法の数式

具体的な計算式は次のようになります。

上述の 3 月パフォーマンスを計算する例では、数式の各項目に以下の数字が当てはまります。「Σ」は、発生したキャッシュフロー全部について計算する、という意味です。ここで書いた例では、キャッシュフローは 1 回の配当金だけですが、他に入出金があったら、すべてを運用日数分だけ運用資産に足すことになります。

  • 期末の時価総額:105 万円
  • 期初の時価総額:100 万円
  • キャッシュフロー合計:5000 円
  • キャッシュフロー(配当):5000 円
  • キャッシュフロー(配当)発生日〜月末の日数:20 日
  • 期初〜期末の日数:30 日

第一生命 年金通信 「運用用語解説」第 4 号 運用資産のパフォーマンス測定について http://www.dai-ichi-life.co.jp/legal/welfare/nenkin_tsushin/pdf/index_06_010.pdf