個人投資家のための運用利回り計算法(1)厳密法(日次評価法)

2013/03/24

株式や不動産などの投資をするに当たっては、運用利回りがどの程度得られているのかを計算する必要があります。もし、自分の運用成績を把握していなければ、自分がリスクをとって行っている投資行動が良いのか悪いのかを、漠然としか判断できません。特に株式投資は運の要素が強い投資です。投資能力のレベルアップを図るにあたって、自分の取った行動の結果を明確にしておくことは必要条件かと思います。

さて、資産運用パフォーマンスの計算方法としては、厳密法、修正ディーツ法、ディーツ法、修正 BAI 法などがあるようです。俺は、一番手間のかからないディーツ法で計算しています。それぞれの手法は、計算にかかる手間と正確さをトレードオフにしています。実際に記録をする際には、お好みでどれか一つの方法を選ぶことになります。

厳密法(日次評価法)の計算例と数式

運用資金に入出金(キャッシュフロー)が発生したら、それらをすべて加味して計算する方法です。運用資金の入出金は、利益確定により発生する所得税・住民税によるマイナス、配当によるプラス、運用資金の引き出しによるマイナスなどがあります。これらが発生するたびに、その時点の時価総額を元に利回りを計算します。

例えば、3 月の運用パフォーマンスを計算するとします。3 月頭に 100 万円あったとして、3 月 10 日に配当を受け取ってプラス 5000 円になり、そのまま入出金が無く 3 月末を迎えたとします。このときは、3 月頭の 100 万円、3 月 10 日のプラス 5000 円、3 月 10 日の時価総額、3 月 31 日の時価総額を元にパフォーマンスを計算することになります。3 月 10 日の時価総額が 101 万円、3 月 31 の時価総額が 105 万円とすると、厳密法による 3 月の運用利回りは以下の計算で求められます。

101 / 100 × 105 / (101 + 0.5) – 1 = 4.482%

要するに、入出金が発生するたびに、分母の運用資産に時価総額をちゃんと反映して計算するという方法です。入出金が発生したときの時価総額を記録しておかないと計算できないため、それなりに労力がかかります。

具体的な計算式は次の通りです。

  • V0:期初の時価総額
  • V1:期初から次の時点の時価総額
  • F1:期初から次の時点までに発生した入出金
  • Vi:期初から i 時点の時価総額
  • Fi:期初から i 時点までに発生した入出金
  • Vn:期末の時価総額

上述の例の金額を計算式の項目に当てはめると、以下のようになります。

  • V0:100 万円
  • V1:101 万円
  • F1:5000 円
  • V2:105 万円

数式では、V0 に対する V1 の利回りと、配当がプラスされた V1+F1 時点に対する V2 の利回りを求めている訳です。何を計算しているかを理解すれば難しくないと思います。