モノカルチャー経済のメリット・デメリット

国の経済が1つあるいは極めて少数の1次産品の輸出に依存していることをモノカルチャー経済といいます。モノカルチャー経済はなぜ形成され、どのような問題点を抱えているのでしょうか。

モノカルチャー経済となっている国の多くは、かつて植民地支配を受けています。植民地支配において、宗主国(植民地支配をしていた国)が植民地から産物を収奪するにあたり、大規模な鉱山や農園などを形成しました。こうした施設が植民地支配から解放された後も残っており、国の主要産業となったのです。

例えば、アフリカのギニア湾岸の国ガーナでは、カカオ豆のプランテーション農園が発達しました。また、金鉱山の開発も行われました。その結果、ガーナ経済はカカオ豆や金の輸出に大きく依存しています。また、同じくギニア湾岸にあり、人口が1億人を超える大規模な国ナイジェリアでは石油が産出されることから、石油輸出に国の経済が依存しています。

こうしたモノカルチャー経済の国は、時刻が大量に生産する1次産品の輸出が好調なときは、経済状態が非常に良いです。ところが、ひとたび輸出がうまくいかなくなると、一気に国の経済が崩壊に向かってしまいます。というのも、輸出ができないと外貨を獲得できず、自国民が必要とする食料品などの輸入に支払うお金がなくなってしまうからです。

モノカルチャー経済の国が輸出相手としている国は先進国が多く、世界同時不況のような問題が起こって先進国経済が停滞すれば、輸出量が大幅に減少することが考えられます。こうした際に、モノカルチャー経済の国ではリスク分散がほとんどできていないので、深刻なダメージを受けることになります。

「卵は1つのかごにいれるな」ということわざがありますが、このことわざのように、モノカルチャー経済の国は特定の1次産品の輸出への依存度を下げ、安定的な経済を築いていく必要があります。まずは自国で生産される1次産品の加工業などから始め、少しずつ外国の技術を導入するなどして産業の幅を広げていくことが求められています。また、たとえ1次産品の生産しかできない場合でも、栽培する作物の数を増やすなどの工夫をすれば、リスクを分散させることができます。

目次

残念ながら、モノカルチャー経済となっている発展途上国の多くでは、こうした経済構造に問題点があることを十分に教育できていません。まずはモノカルチャー経済について適切に理解するところから始め、今後の国の発展を目指していく取り組みが、先進国も巻き込みながら進むことが望ましいです。






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