関税の役割

輸入品に対してかけられる税金に、「関税」があります。では、「関税」はどのような役割を果たしているのでしょうか。

目次

関税の役割

基本的には、国内産業を保護する役割を果たしています。

特に、伝統的な生産方式が、文化的にも基調となっている場合などは、たとえ海外で生産された産品を輸入したほうが低コストになるとしても、関税を高めに設定し、輸入品が押し寄せてくるのをブロックすることがあります。

また、特定産業に従事している人が多い場合にも、関税を高く設定して、国内の雇用が失われないようにすることがあります。

ただ、関税が高いからといってあぐらをかいていると、関税相当額分が高くなることを考慮しても、輸入品のほうが安くなったり、価格は輸入品のほうが高いものの、品質に大きな差が生まれてしまい、輸入品のほうが好まれるようになったりといった可能性があります。

したがって、高い関税に保護されている場合でも、伝統を守りつつ、ある程度効率化や品質向上についても意識しておく必要があります。

関税を税金の収入源とする

国内産業保護のほかに、関税を貴重な税収とする場合があります。

国民が少ない国や、所得が低い途上国などでは、なかなか国の歳入が増やせない場合があります。そのままでは、歳入が少ない以上、歳出も少なくせざるを得ないため、経済発展を進めづらくなってしまいます。

こうした場合に、中継貿易地となるなどして、関税をとり、歳入を増やす方法があります。

もちろん、関税があるだけであれば、中継するコストが高くついてしまうので、港湾の整備などを積極的に行って、貿易地としての魅力を高める必要があります。

所得税の代わりとしての関税

徴税システムが発達していない途上国などでは、個人に適正な課税をすることが困難です。したがって、いくら所得税率を工夫したとしても、なかなかきちんと課税できず、税収増加にはつながりにくいです。

いっぽう、関税であれば管理がしやすいため、きちんと徴税できる割合が高くなります。関税には、徴税の確実性が高いというメリットもあるのです。






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